車の故障が増えてきたら買い替え時?修理か乗り換えか判断する5つのポイント

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半年前にエアコンを直した。少し前には充電系の部品を交換した。そして今度は、次の車検で足回りの交換が必要だと言われた。

1回だけなら「そういうこともある」で済みます。ところが短い間隔で続くと、この車を直し続けていいのか分からなくなります。

この記事では、故障が増えてきた車について直して乗り続けるか、乗り換えるかを判断する5つのポイントを整理します。故障の回数ではなく金額と見通しで決める方法です。

目次

結論:故障が増えたからといって、すぐ買い替える必要はない

先に結論から書きます。

故障の回数そのものは、買い替えの理由になりません。回数が同じでも、中身によって意味がまったく違うからです。

タイヤ・バッテリー・ブレーキパッドが続けて交換になったなら、それは故障ではなく消耗品の交換時期が重なっただけです。一方で、冷却系や電装系の不具合が続いているなら話は変わります。

見るのは次の5つです。

  • 1年あたりの修理費が増えているか
  • 高額になりやすい箇所が重なり始めているか
  • 年式と走行距離から、今後も続きそうか
  • 次の車検までに合計いくらかかるか
  • 今の車にいくらの価値が残っているか

1回いくらだったかではなく、1年でいくら払っているかで見てください。ここを切り替えると、判断がはっきりします。

買い替えを考える5つのポイント

1. 1年あたりの修理費が増えているか

まず、これまでの修理費を書き出します。金額と時期を並べるだけで構いません。

スクロールできます
時期内容金額
2年前バッテリー交換2万円
1年前エアコン修理8万円
半年前電装系の部品交換5万円
今回足回りの交換12万円
数字は考え方を示すための例です。

この例なら、直近1年で17万円かかっています。1回12万円という金額より、1年で17万円というほうが実態に近い数字です。

整備の記録が手元にないなら、いつも頼んでいる工場に聞いてみてください。過去の作業履歴を残していることがほとんどです。

ここで見るのは金額の大きさではなく増えているかどうかです。横ばいなら想定内、右肩上がりなら見通しを立て直す必要があります。

2. 高額になりやすい箇所が重なり始めているか

次に、故障した箇所の性質を見ます。同じ回数でも、中身によって今後の見通しが変わります。

続いている箇所どう見るか
タイヤ・バッテリー・ブレーキパッド消耗品。買い替えの理由にはならない
冷却系(ウォーターポンプ・ラジエーターなど)同時期に寿命が来やすい。続く可能性がある
電装系(充電系・始動系・センサー類)前触れなく止まることがある。重なるなら注意
オイル漏れ・にじみ箇所が増えていくなら、経年劣化が進んでいるサイン
エンジン・AT/CVTなど大物金額が大きい。買い替えと並べて判断する
錆・腐食部分的な修理で終わりにくい。早めに相談する

ポイントは系統がそろっているかどうかです。冷却系が続けて壊れているなら、その系統全体に年数が来ている可能性があります。

走行距離が10万km前後の車は距離で摩耗する部品の交換も重なりやすい時期です。どの部品が来やすいかは10万kmの車は買い替え時?これから交換が増える部品と判断基準で整理しています。

整備士に「ほかにも近いうちに来そうな箇所はありますか」と聞いてください。ここでの答えが、次のポイントに直結します。

3. 年式と走行距離から今後も続きそうか

3つ目は、これからの見通しです。年式と走行距離は、次に何が来るかの目安になります。

走行距離が伸びている車は、交換時期を迎える部品が重なりやすくなります。年式が進んでいる車は、走行距離に関係なくゴムや樹脂の部品が劣化します。どちらも「まだ続く」と考えたほうが安全です。

ただし、これは買い替えるべきという意味ではありません。乗り続けられる年数を短めに置いて計算するという意味です。年数が短くなれば、同じ修理費でも1年あたりの負担は大きく出ます。

なお、初度登録から13年、18年といった経過年数の区分で、自動車重量税や自動車税の税額が変わる仕組みがあります。年式が進んでいる場合は、この点も維持費に含めてください。具体的な変わり方は13年落ちの車は買い替えるべき?税金・車検・修理費から考えるで整理しています。

4. 次の車検までに合計いくらかかるか

ここがいちばん見落とされる部分です。今回の修理費だけを見ていると、全体像がつかめません。

今回の修理12万円
半年以内に来そうな修理8万円
次回の車検15万円
合計35万円
数字は考え方を示すための例です。実際の金額は車種・年式・状態によって変わります。

「12万円の修理」と「これから35万円かかる」では、判断がまったく変わります。比べるときは、必ずこの合計を使ってください。

そのうえで年数で割ります。このサイトでは全ての記事で次の考え方を使っています。考え方の詳しい解説は車を修理するか買い替えるか迷ったら?にあります。

年あたり維持コスト =(今回の修理費 + 今後2年の想定修理費)÷ 乗り続けられる年数

年式が気になる場合は10年落ちの車はまだ乗れる?もあわせてご覧ください。35万円で4年乗れるなら1年あたり8.75万円です。2年しか乗れないなら17.5万円になります。故障が続いている車ほど、この年数を長く置けないという点が効いてきます。

5. 今の車にいくらの価値が残っているか

最後は買取額です。ここがそろって初めて、修理と買い替えを並べられます。

たとえば修理の合計が30万円で今の車の買取額が20万円だとします。この場合、直せば30万円の支出、売れば20万円が次の車の資金になるという違いが出ます。

ただし、これだけで買い替えとは決まりません。買い替えの持ち出しが大きければ直すほうが軽くなります。買取額は判断材料であって結論ではありません。

大事なのは、修理を発注する前にこの数字を知っておくことです。順番が逆になると比べられなくなります。

まだ直して乗ったほうがいいケース

故障が続いていても、直す判断が合理的になる場面があります。

  • 故障の中身が消耗品中心で大物は正常
  • 金額の大きい部品を最近交換したばかり
  • 車検までまだ期間が残っている
  • 直したあと数年乗る予定がはっきりしている
  • 買い替えの持ち出しが大きくなる

とくに2つ目は重要です。大きな部品を交換した直後の車は、その費用を払ったからこそしばらく乗れる状態になっています。ここで手放すと払った費用を使い切らないまま終わることになります。

「最近修理が続いた」ことと「これからも続く」ことは同じではありません。中身を見て切り分けてください。

買い替えを検討したいケース

逆に買い替えを候補に入れて計算したほうがいい状態もあります。

  • 故障が半年から1年ごとに続いている
    次の出費が読めないため乗り続けられる年数を長く見込めません。
  • 1年あたりの修理費が上がり続けている
    横ばいではなく増加傾向なら来年も同じ額では収まりにくい状態です。
  • エンジンやAT/CVTなど大物の修理が出てきた
    金額が大きいうえ周辺の部品にも年数が来ていることが多い箇所です。
  • 錆や腐食が進んでいる
    部分的な修理で終わりにくく見えない箇所に広がっていることがあります。
  • 次の車検も高額になりそう
    修理と車検が重なると合計額が想定を超えやすくなります。

ただし、「年間◯万円を超えたら買い替え」という固定の線引きはできません。買い替えの費用のほうがはるかに大きい場合があるためです。あくまで年あたりで比べて判断してください。

なお、止まると困る使い方をしているかどうかも判断材料になります。毎日の通勤や送り迎えに使っているなら突然動かなくなること自体がコストです。週末しか乗らない場合とは条件が違います。

故障が続いている車でも売れる?

売れます。買取業者は不具合のある車を日常的に扱っています。自走できない状態でも引き取りに対応している業者はあります。

ただし、金額は不具合の内容によって変わります。とくにエンジンやAT/CVTなど大物に不具合がある場合は、評価に差が出やすいです。自社で直せる設備を持っているかどうかで業者の出せる金額が変わるためです。

そのため、故障が続いている車ほど1社だけで決めないほうが確実です。

決める前にやること:順番を間違えない

この記事でいちばん実務的な部分です。修理を発注する前に査定を受けてください。

  1. 修理見積もりを取る(発注はしない)
  2. 今の車の買取額を確認する
  3. 買い替えの総支払額を出す
  4. 年数で割って比べる

修理を発注してから査定を受けると比較そのものができなくなります。直したあとでは「直さない場合いくらだったか」が分からないためです。

査定を受けるときは不具合の内容を正直に伝えてください(故障した車は修理してから売る?そのまま売る?)。修理見積もりがあるなら一緒に見せると話が早くなります。隠して売ると、契約後に減額や契約の見直しを求められることがあります。

ここで注意点をひとつ。一括査定に申し込むと複数の買取業者から電話がかかってきます。相場を早く把握するには有効な方法ですが、電話対応が負担に感じる場合は業者数を絞れるサービスを選ぶか、1社ずつ問い合わせる方法もあります。申し込む前に知っておいてください。

よくある質問

年間の修理費がいくらを超えたら買い替えですか?

固定の金額では決められません。買い替えにかかる費用のほうが大きい場合があるためです。判断するなら、今後2年の修理費の合計を乗る年数で割った金額と、買い替えの持ち出しを年数で割った金額を並べてください。金額そのものではなく、この2つの比較で決まります。

故障が続くのは車の寿命ということですか?

必ずしもそうとは限りません。消耗品の交換時期が重なっただけなら、それは想定内の出費です。問題になるのは、同じ系統の不具合が短い間隔で続いている場合です。整備士に、今後来そうな箇所を挙げてもらうと見通しが立ちます。

修理してすぐ売ると損をしますか?

売ると決めているなら、修理費がそのまま査定額に上乗せされるわけではありません。買取業者は自社の仕入れ値で直せるためです。売却を考えているなら修理を発注する前に査定を受けて、直した場合と直さない場合の金額を両方聞いてください。

修理履歴が残っていない場合はどうすればいいですか?

依頼していた整備工場に聞けば作業履歴が残っていることがほとんどです。複数の店に頼んでいた場合は、今後の分だけでも記録を残し始めてください。日付・内容・金額の3つで十分です。次に迷ったとき、この記録がそのまま判断材料になります。

まとめ

  • 故障の回数では判断しない——1年あたりの修理費で見る
  • 消耗品の重なりと、系統の故障は分けて考える
  • 今回の修理費ではなく、次の車検までの合計で比べる
  • 故障が続いている車は乗り続けられる年数を短めに置く
  • 大きな部品を交換した直後なら、まだ乗ったほうがいい場合がある
  • 順番は修理見積もり → 査定 → 決定。発注はいちばん最後

修理が続くと金額そのものより「またか」という気持ちのほうが大きくなります。ただ、その感覚だけで決めると買い替えのほうが高くついたという結果になりかねません。

これまでの修理費を書き出して、次の車検までの合計を出し、年数で割る。それだけで直し続けるべきかどうかが数字で見えてきます。

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出典・参考
本記事の金額はすべて考え方を示すための例です。実際の修理費・買取額は車種・年式・走行距離・状態・地域・時期によって変わります。修理の要否は必ず整備工場の点検を受けてご判断ください。
自動車重量税・自動車税の経過年数による区分については、国土交通省および各都道府県の公式案内をご確認ください。制度は改正される場合があります。

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