この記事にはプロモーション(広告)が含まれています。
車検の見積書を受け取ったら合計が20万円だった。前回はこんなにかからなかったはずだ——そう感じてこの記事にたどり着いた方が多いと思います。
20万円は高いとも妥当とも言える金額です。何にかかっているかで意味が変わります。
この記事では20万円の見積書を5つに分けて、どこが動かせてどこが動かせないのかを整理します。そのうえで、減らしたあとの金額で通すかどうかを決めるところまで書きます。
結論:車検費用20万円が高いかどうかは中身で決まる
先に結論から書きます。
車検で20万円という数字はそれだけでは高いとも安いとも判断できません。消耗品の交換が重なった20万円と予防整備が積み上がった20万円ではまったく意味が違います。
まず、20万円に届きやすい組み合わせを見てください。
| 見積書に並びやすい項目 | 費用の規模 |
|---|---|
| 法定費用(重量税・自賠責・検査手数料) | 車の重さと経過年数で決まる |
| 車検基本料 | 店によって差が出る(業態別の違い) |
| タイヤ4本の交換 | 大きい |
| バッテリー交換 | 中くらい |
| ブレーキパッド・ローター | 中くらい |
| 油脂類・ワイパー・電球 | 小さい |
これらが同じ年に重なると、20万円台になることは珍しくありません。1つひとつが不当に高いのではなく、たまたま交換時期が重なったというケースです。
逆に、まだ交換しなくてよいものが多く積まれて20万円になっていることもあります。この2つを見分けるところから始めます。
見分ける物差しはひとつです。20万円のうち「車検に通すために必ず必要な整備」がいくらを占めているか。ここだけを見ます。
| 必須整備が占める割合 | 20万円の見方 | 次にすること |
|---|---|---|
| 大半を占める | 妥当。減らせる余地は小さい | 年あたりに直して判断する |
| 半分くらい | 相談の余地がある | 今回やるものを選び直す |
| ごく一部 | 積み上がっている可能性がある | 分けてもらう。別の店でも見積もる |
この割合が分かれば、あとは機械的に進められます。合計の20万円をにらんでいても答えは出ません。
20万円の見積書を5つに分ける
見積書の項目は性質で5つに分けられます。合計だけを見ていると、この違いが見えません。
| 種類 | 中身 | 動かせるか |
|---|---|---|
| ① 法定費用 | 自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料 | 動かせない |
| ② 車検に通すための整備 | 保安基準に適合していない箇所の整備 | 動かせない |
| ③ 安全上すすめられる交換 | 今は通るが限界が近い部品 | 相談できる |
| ④ 予防整備 | まだ使えるが交換しておくもの | 相談できる |
| ⑤ 消耗品・付帯サービス | タイヤ・バッテリー・コーティング等 | 相談できる |
①の法定費用は制度で決まっていて、どこに出しても同じ金額です。金額の内訳は車検費用の平均・相場はいくら?内訳と高くなる理由にまとめてあります。
②は今の状態で保安基準を満たしていない箇所です。直さなければ検査に通らないため、選択の余地がありません。ここが20万円の多くを占めているなら、金額そのものは妥当ということになります。
③は今回の検査には通るが、次の2年はもたないと見られている部品です。ブレーキパッドの残りが少ない、タイヤの溝が基準ぎりぎりといった状態がこれにあたります。先送りにすると、車検の合間に別の出費として出てきます。
④はまだ使えるが交換しておくものです。各種オイルやフルード類の早めの交換、ベルト類の予防的な交換などが入ります。ここは店の方針によって金額が大きく変わる部分です。
⑤は消耗品と付帯サービスです。タイヤやバッテリーは③に近い扱いになることもありますが、コーティングや室内清掃は車検とは関係ありません。同じ⑤でも性質が違うので、まとめて判断しないでください。
20万円のうち動かせないのは①と②だけです。残りの③④⑤はやるかどうかを相談できます。
ただし③を全部先送りにすると、次の車検までに別の形で出てきます。動かせる=やらなくていいではありません。
動かせない部分と相談できる部分の見分け方
動かせないもの
①の法定費用と②の「車検に通すための整備」です。
②は保安基準に適合していない箇所なので直さなければ車検に通りません。ブレーキ・ライト・タイヤの残り溝・下回りからの油脂の漏れなどが該当します。
ここを削ると車検そのものが通らないため金額を下げる対象にはなりません。
相談できるもの
③④⑤です。今回やるか次回に回すか、別の店でやるかを選べます。
特に⑤の付帯サービス(コーティング・防錆処理・室内清掃など)は車検に必要なものではありません。見積書に入っていたら必要かどうかを確認してください。
迷いやすいのは③です。判断の基準は「次の車検まで、あと2年もつか」の一点になります。もたないと言われた部品を先送りにすると、車検が終わったあとに単独で工場へ行くことになります。
そのときは工賃が別に発生します。まとめてやったほうが安く済む部品と分けても変わらない部品があるので、そこも聞いておくと判断しやすくなります。足回りのように分解を伴う整備は、同時にやるほうが有利になりやすい部分です。
分けてもらうための聞き方
整備士に聞くときは次の1文で足ります。
「この見積もりのうち、車検に通らない項目はどれですか」
この聞き方だと②だけを取り出してもらえます。合計から①と②を引いた残りが相談できる金額です。
言い方や断り方については車検の見積もりが高すぎるときは断れる?外せる項目と相見積もりの取り方で詳しく扱っています。見積もりは契約ではないのでその場で決める必要はありません。
車検費用20万円が妥当になりやすいケース
次のどれかに当てはまるなら20万円は不当な金額ではない可能性が高くなります。
- タイヤ4本の交換時期が来た
1本ずつではなく4本まとめて替えるため金額がまとまって出ます - 前回の車検で先送りにした整備がある
2年前に回した分が今回に乗っています - 年数と走行距離が同時に節目を迎えた
時間で劣化する部品と距離で摩耗する部品が重なります(10万kmで交換が増える部品) - この2年間、車検以外の整備をしていない
ふだん整備に出していないと、車検にまとまって出ます
この場合は1回の車検が高かったのではなく、2年分がまとまって出ただけという見方ができます。年あたりに直すと印象が変わります。
確かめる方法があります。前回の車検の見積書か明細が残っていれば、今回のものと並べてください。増えたのがどの項目かが分かります。
タイヤやバッテリーのように数年に一度の部品が今回に入っているだけなら、20万円は理由のある金額です。逆に前回と同じ項目が並んでいるなら、そこは確認したほうがいい箇所になります。
車検費用20万円が高すぎる可能性があるケース
逆に、次のような見積書は一度立ち止まったほうがいいものです。
- ③④の比率が高い
車検に通らない項目が少なく、予防整備で金額が積み上がっています - 同じ部位を短い期間で2度交換している
前回の整備記録と照らし合わせてください - 説明が「安全のため」だけで終わる
なぜ今なのか、あとどれくらいもつのかを聞いてください - 付帯サービスが最初から入っている
コーティングや室内清掃は車検に必要なものではありません
あてはまるものがあれば別の店でも見積もりを取ると比べやすくなります。取り方は車の修理見積もりは無料?何社取る?相見積もりの取り方と比較ポイントにまとめてあります。
そのとき同じ車の状態を同じように伝えるようにしてください。前提がずれると、金額を比べても意味がなくなります。
車に積んである整備記録簿(点検整備記録簿)も一緒に持っていくと話が早くなります。いつ何を交換したかが残っていれば、今回の見積もりが妥当かどうかを別の整備士が判断しやすくなります。
もう1社の見積もり先を探すなら、楽天Car車検で近くの店を探し、無料見積もりをネットで予約する方法もあります。車種・年式ごとの費用の目安や口コミを見比べられ、見積もりに納得して車検を受けると楽天ポイントが付きます。
ただし、サイトに出ている金額は目安で、実際の総額は点検してみないと決まりません。予約した店でも見積書をもらい、車検に必要な整備がどれかを確認してから決めてください。
減らしたあとの金額で判断する
①②だけにした金額が出たらそこで初めて判断します。20万円のままで考えないことが大事です。
たとえば②までで12万円、③④⑤で8万円だったとします。③のうちブレーキパッドだけ今回やることにして残りを次回に回せば15万円になります。
この15万円が比べるための金額です。
そのうえで、この車にあと何年乗るかを決めます。このサイトでは全ての記事で次の考え方を使っています。考え方の詳しい解説は車を修理するか買い替えるか迷ったら?判断する7つのポイントにあります。
年あたり維持コスト =(車検費用 + 今後2年の想定修理費)÷ 乗り続けられる年数
15万円を払ってあと4年乗るなら年3.75万円。あと2年なら年7.5万円です。
ここで忘れたくないのが先送りにした③です。次回に回した分は「今後2年の想定修理費」に入れておいてください。今回の見積書から消えても、出費そのものが消えたわけではありません。
それでも20万円を超えるなら買い替えとも比べる
減らしても20万円を下回らないことはあります。その場合は通す以外の選択肢も一度並べてください。
判断のしかたは金額が変わっても同じです。年あたりに置き換えて、買い替えた場合と比べます。30万円台まで届いた場合の考え方は車検費用30万円なら買い替えるべき?修理してあと何年乗るかで比較で詳しく扱っています。
すでに売ると決めているなら車検を通してから売ると損になりやすい点にも注意してください(車検前に買い替える?車検を通してから売る?)。かけた車検費用は査定額にそのまま乗るわけではありません。
ただし、20万円で通せてあと4年乗れるなら買い替えより軽く済むことのほうが多くなります。金額の大きさだけで決めないでください。
よくある質問
車検で20万円は高いですか?
中身によります。判断できるのは見積書を①〜⑤に分けたあとです。②の「車検に通すための整備」がいくらかを先に確認してください。そこが小さくて③④が大きいなら金額を下げられる余地があります。
高い項目だけ断ることはできますか?
③④⑤は相談できます。①②は断ると車検に通らないため結果的に車を使えなくなります。どれが②なのかを確認してから決めてください。断り方は車検の見積もりが高すぎるときは断れる?で扱っています。
前回は10万円だったのに今回20万円になったのはなぜですか?
法定費用と車検基本料は2年で大きく変わるものではありません。動いたのは整備・部品代です。タイヤ・バッテリー・ブレーキのように数年に一度の部品が今回まとめて交換時期を迎えたという見方ができます。見積書を前回と並べると原因がはっきりします。
軽自動車で20万円というのは高すぎませんか?
軽自動車は法定費用が普通車より低くなるため、同じ20万円でも整備・部品代の占める割合はさらに大きくなります。見方は同じで、②がいくらかを先に確認してください。年数が経った軽自動車では、足回りや冷却系の整備が重なって金額が伸びることがあります。
20万円の見積もりがあとから増えることはありますか?
あります。分解して初めて分かる不具合が見つかることがあるためです。防ぐには「追加が出たら作業前に連絡してください」と先に伝えておくことです。金額の上限を決めておくと、判断する機会を残せます。
まとめ
- 20万円が高いかどうかは、動かせない部分がいくらかで決まる
- 見積書は5つに分けられる——動かせないのは法定費用と「車検に通すための整備」だけ
- 「この見積もりのうち、車検に通らない項目はどれですか」と聞けば②が取り出せる
- 消耗品の交換が重なっただけなら20万円は不当な金額ではない
- 予防整備の比率が高いときは別の店でも見積もりを取る
- 減らしたあとの金額を年で割って判断する——先送りにした分は今後2年の費用に入れておく
20万円という合計だけを見ていると、高いか安いかは永久に決まりません。分けて初めて判断できる金額になります。
まず②がいくらかを聞く。次に③④⑤をどこまでやるかを決める。最後に残った金額を年で割る。この順番なら納得して決められます。
あわせて読みたい
出典・参考
本記事の金額はすべて考え方を示すための例です。実際の車検費用は車種・年式・走行距離・状態・地域・依頼先によって変わります。整備の要否は必ず整備工場の点検を受けてご判断ください。
車検費用の内訳(自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料)については車検費用の平均・相場はいくら?に公式ソースとあわせてまとめています。
継続検査で求められる整備の範囲は道路運送車両法の保安基準にもとづきます。個別の判断は国土交通省および整備事業者の案内をご確認ください。

コメント